A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

ブレードランナー2049

みた。
www.bladerunner2049.jp

よかった。

少々長いが、傑作。みなの期待する続編でここまでやり遂げたのは偉業だ。

すべてが疑わしく、何も信じられなくなり、みんな何のために動き回ってるのかよくわからなくなる。
それでも最後のシーンはよかった。多国籍で雑多な感じのあの世界観なんてどうでもよくなるくらいに。

笑うことのなかったKが雪の降り積もる階段で微笑んだように見える安らかな顔。あそこに犬が寄り添ってくれたらフランダースの犬感が出たのにな(あの黒い犬、どうなったのかな)。天使たちの街ロサンゼルスということも相まって、そんな妄想をしていた。
レプリカントの「信仰」が興味深い。アンドロイドが魂を得るスピルバーグA.I.もしかり。

ガラスの中の汚れない世界で作り出されたフェイクの想い出。これを埋め込めば清らかに生きられるかもしれないが、当の博士が免疫不全だったように、これを外に持ち出してはまあ何がどうなるかわかったもんじゃあない。世界とはそういうものだ。本当にそうか?実は我々も試験管の中なのでは?サッパー宅のピアノに隠された缶、あれは誰が隠したものなのかよくわからん。そもそもその下りすら本当なのかよくわからなくなってきたし、とにかくすべてが疑わしい。

今回のBR(Blade Runner)はAR(Augmented Reality)の表現が主に新しいところかもしれない。レプリカントも目で物を見て考える。
貧素な食事をARで手作り料理に(AR彼女が作ってくれたという設定までついて)。そんなので満足できるんだから目で見て考えている。そうに違いない。
そういえばブレードランナーたちはレプリカントを目で特定していたな。レイチェルの瞳の色もそうか。そしてそれらの様子が二次元の白い幕に映し出されたのを見て、こうして何かを考えている我々もおかしな存在である。
映画「マイノリティリポート」でも目玉コロコロおっかけてたのでフィリップ・K・ディックが関わるものと目玉は何か因縁があるのかもしれない。

真実とは何なのか。我々のアイデンティティーとは何なのか。記憶なのか。肉体なのか。魂があるのか。
多分何度も見ないとよくわからないし、きっと何度も見てもよくわからない気もする。
その疑問は映画という「作り物」のメディアからこの「現実」世界に飛び出して私を悩ませる。

劇場を出ると雨が降っていていい感じだったが、今作だったら雪が降っててほしかったかな。

伝わりにくい個人的みどころ
  • ARご飯
  • 掘削班のマインクラフト的仕事ぶり(四角い穴)
  • うどんの自販機
  • バレリーナの足
  • サンディエゴの瓦礫での戦闘がAKIRA
  • Joiのチャイナドレスと透明なコート
  • 自分のことだと思った?