A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

夜は短し歩けよ乙女

みた。
kurokaminootome.com

昨夜は夜通し作業をしていて半ばふわふわした足取りで映画館へ。毎月14日のTOHOシネマズデーで1,100円。そして今日はMYバースデーでもある。
そんなスペシャルフライデーナイトにひとりでこのような映画を見に行くなど、なかなか乙ではないか、などと冒頭から食べログポエム風グルメリポートの蛇足感で既に暗雲が立ち込めている。

湯浅政明作品の大げさでダイナミックなアニメーションに派手な色彩。まさに動く絵そのものを楽しむ映画である。
バラ色のキャンパスライフなどどうでもよい。成就した恋ほど語るに値しないものはないのだ。
などと斜に構えて眺めていたのだが次第に夜の先斗町に引きずり込まれてゆく。
最大の見せ場にいたっては一体私は何を見せられているのだという気持ちになりながらも、つい心を動かされそうになるというこの屈辱感。
なんとしたことか。歌の力はすごい。一瞬でぼくの心のやらかい場所をしめつけるラ・ラ・ランド。否ラ・タ・タ・タム。
「行き先:先輩」のネコバスといい、手を取りながら空を舞う千と千尋の神隠しエンディング風味といい、宮崎駿愛を感じる。
公開を控える「夜明け告げるルーのうた」崖の上のアレだし。

乙女であるからして、四畳半神話体系の明石さんに見られた色っぽさが薄いのは残念であるが、これも今日ひとつ歳をとってまた青春というものから遠ざかったからに違いない。なにか目には見えない謎の力、そう例えば重力によって突如頭頂に降りてくる恋愛感情のようなものも最早期待できまい。ジャネーの法則により時間は加速し、残された時間はわずかだ。今際の際で見るという走馬灯はぜひこのような大団円で締めくくりたい。そして短い夜を越えて翌朝爽快に目覚めたいものである。

伝わりにくい個人的みどころ