A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

宮内悠介「盤上の夜」

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)

待望の文庫化されたので読んだ。

短編連作が大好物なこともあり、あっという間に読み終わった。
並行して読んでた翻訳モノは全然進んでない。白熱光とかパラークシの記憶とか。
いや、訳の山岸センセイの悪口じゃないよ断じて。
どうもファンタジー世界は脳内にその世界を構築するのに時間がかかってしまうわけですよ。

話を戻そう「盤上の夜」へ。
盤上というと「水曜どうでしょう」のバンジョー兄弟を思い出してしまい、
読んでるあいだ時折、バンジョー玉三郎バンジョー英二が脳内をちらついて困った。

あらすじとかは他の人がきれいにまとめてるから略。

この淡々と進む感じがかえって感動を誘う。あるいは私が歳をとったのか。涙腺ゆるんだか。

第2話、チェッカーゲームの「人間の王」ティーンズリーが「若者に戻ったかのような気分だった」と振り返るシーンあたりから引き込まれた感じがする。
最後の由宇のセリフでも改めてグッときた。
意志と石をかけてるのか。いやそんなことないのだけれど、命あっての物種。
命が続く限り人はゲームに熱中するのだろう。果たして何のために?
ボードゲームを中心に渦巻く自然科学、歴史、政治、セックス、ドラッグ、ロックンロール、さらには呪術、宗教、哲学さらには宇宙観までをこの六編によくも詰め込んだなあと関心。


自分はボードゲームとかどうも苦手である。考えて先を読もうとするとクラクラするし、そもそもルールに従うのがダメだ。定石通り進むゲームがどうもつまらないと感じてしまう。
囲碁も将棋も麻雀もルールちゃんと知らないのだけれど。
「覚えたらきっと強い!」などと信じつつ負けるのをおそれて覚えなかった。

幸運や偶然で何かを得ることはあるけれど、知力を尽くし、極限まで考え抜いた末の答えを出してこそ、人間は次の段階へ進めるのかもしれないね。