読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

グレッグ・イーガン「プランク・ダイヴ」

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)


途中で止まってたのを引っ張りだしてようやく読み終わった。

クリスタルの夜

前に読んだね。
グレッグ・イーガン「クリスタルの夜」 - A Perfect Night For Bananafish

知性あるものを殺してはいけないのなら、知性ある人工知能を殺すことは許されるのか…。
食うために人工知能を殺すのはよいのか。知性とは何なんだ。

エキストラ

完全なクローンとアイデンティティ。これまで読んだイーガンらしいテーマ。

暗黒整数

long int i1,i2,i3;
dark d1,d2,d3;

この話が一番好きかな。背景が現代に近いからだろうか。数学の不備がこの世の存続に関わるという内容はぶっ飛んでいるのだけれど。
眠れないときに7の累乗を計算する主人公。
以前、100から7ずつ引いて心を落ち着けるというのを認知行動療法の本(こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳)で読んだ。長谷川式認知症スケールという認知症検査でも使われる方法だ。だが、こいつは7の累乗だ。自分が計算できるのはせいぜい7の4乗ぐらいだ。
インターネットをNANDゲートの集まりに見立てて、それ自体を計算機として使うとかワクワクする。
ザ・ホワイトハウス〈ファースト〉 セット1 [DVD]博士の異常な愛情(1枚組) [DVD]

グローリー

「数学は人生のすべてじゃないわ。」ジョーンはいった。「ほとんどではあるけれど。」

ワンの絨毯

人間が宇宙へとクローンを大量に放つディアスポラ計画…。
人間型ではない知的生命とのファーストコンタクトはわりと好き。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/40/Wang_tesselation.svg/200px-Wang_tesselation.svg.png

プランク・ダイヴ

「原型的物語とは、肉体人の神経生理学における二、三の偶然のアトラクターの産物だ。」

とかシビれる。しかし、あまりにも物理学一辺倒になってしまうのもそれはそれで切ないものだ。
肉体だって数学や物理学に従うんだ。詩的表現だってしたいものだよね。

伝播

「来るべきすべての世代の人々が、自分では完成させることのできないなにかを、はじめられますように」

最近になってよく思うようになったことなので非常に共感する。
昔はいろいろなことをやり残して死ぬのは嫌だと考えていた。死んでしまったら悔いなど残らないのに、だ。
しかしほんとうに自分が悔いの残らない人生を送ったとしたら、それは人類全体でやるべきことはなくなるはずであり、後世の人達はヒマになってしまう。だから楽しみをたくさん残してあげなければ!と思うようになったのだ。トシか…。というかなんたる傲慢と怠慢。ああ老害と呼ばれる日も近い。