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A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

太宰治「葉」

葉


読んだ。

撰ばれてあることの
恍惚と不安と
二つわれにあり
         ヴェルレエヌ

というベルレーヌの詩(堀口大學訳)の引用で始まる。

ヴェルレーヌ詩集 (新潮文庫)

ヴェルレーヌ詩集 (新潮文庫)

「不安と恍惚」を抱える「人間」のアンビバレンツ。ということらしいが、その二つを抱える「葉」という作品そのものとも取れる。太宰の処女作にしていきなり「晩年」というタイトルの短篇集の冒頭を飾るのがこの「葉」の抱える「恍惚と不安」そのものだ。
引用に続いて

死のうと思っていた。

でました。最近同僚が入院したので、見舞いに「浴衣でもやるかw」という話になったのがきっかけで、この「葉」を読んだ。
死のうと思っていた主人公は、夏物の浴衣を見舞いにもらって、夏まで生きようと思うのである。

1934年4月が初出というから太宰が24~25歳のときの作品だ。ここから10年以上は生きるわけであるが、まあそれでも不惑に至らず恍惚と不安のまま世を去ったわけだ。

短編というか断片という感じで、ストーリーなんかよくわからない。
今で言うと、Twitterで自分の書いたツイートから、「おれのカッコイイつぶやきのまとめ」を出版した感じか。

とりわけ気に入ってるのは

安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、ひしがれたくらしをしているときは、生のよろこびを書きつづる。

最後の締めくくりは、

どうにか、なる。

だ。冒頭の「死のうと思っていた。」が実は恍惚で、最後の「どうにか、なる。」が不安であるという印象がある。

アニメ「もののけ姫」で一番印象に残っているセリフが

生きてりゃなんとかなる

なんだけど、まあ結果はどうあれ、どうにかはなるんだろうな。


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       ,。∩      *    もうどうにでもな~れ
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