A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

S-Fマガジン 2012年 04月号

S-Fマガジン 2012年 04月号 [雑誌]

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さらに読んだ。

「対称(シンメトリー)」グレッグ・イーガン

彼の作品は読んでると頭がしびれてくるんだよな...。
イーガンの「万物理論」や「ディアスポラ」がもうどんな内容だったかすっかり忘れてしまった。

リドリー・スコットの「エイリアン」や大友克洋MEMORIES」の彼女の想いでみたいに
木乃伊取りが木乃伊になりそうな不安感漂う広大な宇宙の閉塞感。

相変わらず幅広い物理学のトレンドを引っ張り出してくる。こいつ何者なんだよ。
グロテスクな高次元の断面は「タンジェント」(グレッグ・ベア)を想わせる。

今回もイーガンっぽい情景描写がたまらない。

どうしても想像してしまう架空の経線に対して夜明けの線は斜めになっていて、経線の南では先行し、北では遅れている。ぼくの眼前に昼と夜の概念と同じ明快さで提示されているのは、季節という概念だ。

「懸崖の好い人」三島浩司

まさかの盆栽。そして三角関係。すごくよくまとまったお話だ。
テレビドラマもこういうお話もっとやればいいのにな。読み切り的なドラマはコストがかかっちゃうんだろうなぁ。
世にも奇妙な物語」とか、しっくり来そうだな。

ネルカレー(著作活動)
著者の三島浩司は、

  • Humor
  • Unique
  • MORals

の頭文字をとったHUMORをポリシーにしているそうで、この物語もその辺りがうまく出ているんじゃないかなあと思う。

「蛩鬼乱舞」ジャック・ヴァンス

色彩がなかなかサイケなファンタジー色強いお話。「マグナス・リドルフもの」と巷では呼ばれるものだそうだ。
僕自身がキャラクターに入れ込むタイプじゃないのでどうかなとは思ったが、なかなか面白い。
主人公マグナスより脇役のアクが強いのがヨイ。オチもなんだかニッコリしてしまうね。

「まだ死なない」田辺ふみ

内容的にはグロテスクなんだろうけど全然それを感じさせないちょっとコミカルな短編。
検死官というよりは検生官だな。
テセウスの船のように、生体をサイボーグ化していったとき、どこまで入れ替わってもそれは本人として認められるのかというアイデンティティ的な面倒な話はズバッと抜きさり、あっけらかんと「生きている」ことの証明を行うあたりが面白くもあり、ちょっとした寒気を感じる作品だ。