A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション

読んだ。

ナイト・ブルーの記憶 上田早夕里

泳げないから海洋系がどうも苦手でずっとこの1話でひっかかってたのだが、頑張って読み進めると、最後のページでグッとくるという最高の体験を得られた。本を読んで感動するのは久しぶりだ。

感覚の拡張と意識の変容。

感覚が違えば思考も変わる。
意識も変わる。

感覚を研ぎ澄ませて、何か語り継いでいかなければという気分になったよ。

 

 愛は、こぼれるqの音色 図子慧

こちらも感覚の拡張みたいなお話。ちょっとノワールっぽいハードボイルドな感じに仕上がってる。陰のあるマーベルヒーローみたいな感じというか。まあ舞台は市谷田町とか鐘ヶ淵だけど。

 

 凍て蝶 須賀しのぶ

口伝により受け継がれる切なくも美しい物語。1話目のナイト・ブルーの記憶もそうやって紡がれる物語りであったな。子供ができたらまたさらにこの物語りの味わいが変わるかもしれないな。命を与えることは死を与えることになる。長かろうと、短かろうと、生きるのには覚悟がいるのだなあ。

 

 三階に止まる 石持浅海

なぜか三階に止まるエレベーターの謎。ちょっとしたホラーだね。最後のシーケンスは、世にも奇妙な物語りの音楽が流れてきそうな感じ。

 

 アサムラール バリに死す 友成純一

謎の奇病、呪術、終末。手記的なスタイルで臨場感たっぷり。なかなか湿度の高いお話だ。

 

 スペース金融道 宮内悠介

量子金融工学www。価格の変動が限りなく光速に近づくとアインシュタイン相対性理論の影響を受ける。つまり金融商品群がシュヴァルツシルト半径を割り込みブラックホール解が出現し価格が決定できず金融破綻するという。

登場するコンビもなかなか魅力的でよい。

 

 火星のプリンセス 続 東浩紀

前の話、どんなだったかだいぶ忘れてしまってるな。なんというか中二病セカイ系深夜アニメ枠センチメンタリズム。あとマクロスっぽさ。

 

 密使 伊坂幸太郎

伊坂先生は読ませるなあ。非常に読みやすく、それでいて実に面白い。伏線うまく回収するし。とんでもないドタバタなのに、構成の巧さもあって、全然それを感じさせない。なんかくやしい。あーもう緑推し。

あとこの方、律儀に引用文献載せるよね。