A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

森見登美彦「宵山万華鏡」

森見登美彦宵山万華鏡」

宵山万華鏡 (集英社文庫)

宵山万華鏡 (集英社文庫)

読んだ。宵山に間に合った。

 集英社『宵山万華鏡』森見登美彦

いつものダメ大学生のモノローグではなくて少しシリアスな感じの群像劇。宵山劇場で大団円みたいになってからの回廊、迷宮、万華鏡へと続く構成が実によい。
群像劇ならでは違う視点で場面がつながっていくときの快感、そして時間ループ。森見版千と千尋の神隠し

 

祭りの前の浮き足立った感じと、夕暮れていく感じ。楽しくも不安な感じ。みんなもこういう感覚あるのだろうか。

地元で祭りといえばねぶた祭りなのだよな。夕方になると聞こえてくるサンタのそりのような鈴の音。祭りが終わると秋風が吹くというあの切なさ。しかしこの祭り、神事でない乱痴気騒ぎで、厳かさに欠けるのは少々残念である。だからこそなのか、この物語りの宵山祇園祭や現在住んでる東京下町でしょっちゅうやってるお神輿なんかは非常に興味深く思う。

そういえば弘前方面には宵宮(よみや)という露店が並ぶお祭りがあって小さい頃よく連れて行ってもらった。いわゆる世間でいう夏祭りや縁日なのだろう。
夜店の訛りだとばかり思っていた。夜やるわけだし。
地元ではお店のことを「みへや」(店屋)などと呼ぶものだから夜店屋さんを略したのだろうと勝手に解釈していた。祖父に「よいみや」なんだよと教わったときも、こじつけか何かに違いないと疑っていたものだ。こじつけてたのは僕の方だった。

 

 金魚は鯉にならないが、鯉は龍になるのだなあ。僕は何になるのだろう?
コジコジコジコジだよ?