発売直後に買ったのに読むのにすっごい時間かかっちゃったよ。
SF大将 特別編 万物理論 [完全版] とり・みき
SF本の雑誌 (別冊本の雑誌 15)に第二章が加筆されて完全版に。SFの定義をめぐるドタバタ。この数ページに細かいSFネタが満載。
円城塔の邪悪な靴下と思われるものや、紫色のクオリア (電撃文庫)を思わせる名前の茂木紫一郎とか、そして本書の最後に収録されてる「希望」との対比もよい。実にエレガント。
ろーどそうるず 小川一水
なんだよこの80年代青年マンガみたいなタイトル。と思ったがこれなかなかよい。番組間のつなぎの5分ぐらいのさわやかなミニドラマをなんとなく毎回見てたら意外と面白かった、みたいな。小川一水はSFテイストの童話を書ける人なんだなって思う。
想い出の家 森岡浩之
ふつうに近い未来に実際ありそうな拡張現実のサービス。この拡張現実というガジェット以外は淡々とした物話。嫌いじゃないんだけどNOVAシリーズの場合、他のがアクが強すぎてインパクトに欠けてしまうのが残念。
東山屋敷の人々 長谷敏司
逆サマー・ウォーズか。なるほど。上の「想い出の家」に続いてこれまた「家」がテーマ。抗老化医療で相続はどうなんねんって話。家という箱の中での縦と横の関係。
国家という箱の中での縦と横の関係。なんだろね親戚とかって変なしがらみあって面倒くさいよね。
友だちはえらべるけど、親類縁者はえらべない チャーリー・ブラウン
犀が通る 円城塔
ぐだぐだと理屈をこねくりまわす円城節は相変わらず。でも今回は割合読みやすい。そしてときに共感を覚える。
星座の説明で空の星を指差されてもちゃんとわかった試しはないし(未だに天の川すらよくわからない)、今見てる方角は常に北だと思ってるし。
天球に張り付いた星図を裏から見たらそれは図星なんじゃないのか。
デューラーの犀と兎
火星のプリンセス 東浩紀
NOVA 2---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)の「クリュセの魚」に続く作品。完結せずに次回へ続いちゃうのでなんとも。NOVA2のときの感想で、「〜した。」「〜た。」が気になっていたのだけど、今回もそれを思い出してやっぱり気になってしまった。
メデューサ複合体 谷甲州
宇宙土木というジャンルがあるのは知らなかった。映像なら一瞬映せば済むような場面を精緻な描写で記述。宇宙に行ったことない自分がそんな木星の衛星付近の土木作業を想像しながら読むものだから、なんだかとても疲れた。