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A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

小川一水「アリスマ王の愛した魔物」

S-Fマガジン 2010年 02月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2010年 02月号 [雑誌]

おとぎ話風。数の天才アリスマ王子(ブサイク)の元へ現れる謎の従者(イケメン)。小国ディメに算廠(さんしょう)という計算の殿堂を設立し、次々に勢力を拡大していく・・・。
アリスマって名前がarithmetic(算術)のカリスマっぽくてよい。

算廠というのはいわゆる人力計算機で、珅子(しんし)という計算役が経木に筆で計算していく。糞尿垂れ流しで家畜のように計算するだけの計算素子。
計算結果が書かれた経木がカラリとでてくる様は、おみくじみたいだ。キテレツ大百科のような「からくりパンク」を彷彿(パンクじゃないか)。
昨年末辺りに日本ではスーパーコンピューターが事業仕分け対象としてもめていたけれど、この世界では他国に負けないためには算廠を拡大し続けなければならない。そして数の悪魔にとりつかれていく。
現代の大企業も似たようなものかもしれない。エサを食べてはよくわからない数字こねくり回して、体壊して捨てられる。君!ポチポチとクリックしてるだけの人生になっていないか?ああ怖い怖い。

それにしてもこのアリスマくん、かなりの変態である。一度フラれた隣国フィラスの姫に

「縦と横と高さの三軸からなる空間に存在する幾何学図形集合空間のうち、基本群が自明であるものは三次元球面でしかありえないと思うのですが、いかがでしょうか?」

三次元ポアンカレ予想を三回唱えて算廠送りにするという狂気。
謎の従者の性別は不明ということになっているが、明らかに「アッー!」な感じである。三次元球面を一般化したとき「ホモトピー球面」になるのは偶然ではありますまてぃか?

(たらい)に弱い魔獣ホエバトティホル萌え。