A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

グレッグ・イーガン「クリスタルの夜」

S-Fマガジン 2010年 01月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2010年 01月号 [雑誌]

タイトルはwikipedia:水晶の夜から(訳者解説より)

光コンピューティングを実現したダニエルが、この超高速コンピューターでAIを育てちゃうよって話。これだけのスペックがあれば世代交代なんかも、かなり早送りできるからね。
フェッセンデンの宇宙 (全集・シリーズ奇想コレクション)の現代版と評されているが、未読である。
というわけで私は星新一の「神」を思い出しつつ読んだ。これはコンピューターにあらゆるデータをつっこんで神を作ろうって話。最後はとんでもないことに。
これにイーガン流ハードSFの味付けをしたらこうなるんだろうな。

冒頭に出てくるAI研究のエキスパート、ジュリーの言葉は預言者めいていて重みがある。

パスカルの賭けの現代版ってご存じですか?できるかぎりたくさんの超越人類主義者トランスヒューマニストにゴマをすっておけ、万が一そのうちのひとりが神になったときのために。たぶんあなたは『あらゆるチャットボットに親切にしておけ、そいつは神の叔父さんかもしれない』を座右の命にすべきなのよ」

第一号プリモには親切にしといた方がよかったのかもしれないね。

進化とは」ジュリーはいった。「すなわち失敗と死です。(後略)」

ダニエル君も進化したのかな。最後の台詞を聞くと懲りてないようだね。むしろさらに思いを強めた感じだ。瀕死から立ち直ることでより強くなるサイヤ人のようだな。
奴隷になんかなりたくないから莫大な金をかけてこんなプロジェクトやってるんだろうけど、もしかしたらこれも仮想世界のAI実験場だったりして。結局みんな奴隷なのかもね。
あ、それに気づいたからファイトどものように"常温ビッグバン"でも起こして自分の宇宙を開闢するつもりになったのかな。


原文はこちら

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