A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

テッド・チャン「息吹」

2010年初読み。

S-Fマガジン 2010年 01月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2010年 01月号 [雑誌]

冒頭いきなり、「空気」を括弧付きでアルゴンとしてるので「あれ?」って思う。
給気所の庶民的な雰囲気が一転、ちょっとした時間のずれから、記憶、意識の起源そして生命の起源の謎にまで迫る壮大な話へ。

平衡へ向かう宇宙。完全に均一化され定常状態になってしまうことは、この生命にとって死を意味する。大気の擾乱が必要なのだ。
気圧の均一化を阻止しようとする人々は地球温暖化問題に踊らされている我々のようでもある。エントロピー増加を阻止しようとする存在自体がエントロピー増加に加担しているという。

平衡へ近づいてくのは、低気圧が近づくとうつうつとして思考が鈍る感覚だろうか。あるいは思考が遅くなることすら感じないのかもしれない。

これだけの短いお話になんだかいろんな要素が詰め込まれてて、さすがテッド・チャンと言わざるを得ない。


原文がここで読める
Night Shade Books presents Ted Chiang's "Exhalation"

朗読も聞ける(英語)
Ted Chiang's story Exhalation -- free podcast - Boing Boing