A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

Boy's Surface

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

前回に続いて円城作品。表題作含む4つの短編。
全体的に読み応えはあるんだけど、「で、どんな話だったっけ?」ってなる。これが円城節ってやつなのか。

Boy's Surface

写像が語る、初恋の不可能性を巡る物語」
まず章番号が意味深げ。(0,0)→(5,1)→(1,2)→(6,3)→(2,4)→(7,4)→(3,6)→(8,7)→(4,8)と進む。
(x,y)とすると、xは5歩進んで4歩下がる。yは1ずつ単調増加。とりあえず2次元平面にマップしてみる。

原点からスタートしジグザグだが順調に前進。だがy=2xとy=2x-9の二つの直線は決して交わることがない。一定の距離を保ったまま同じ傾きで進み続ける。この平行線が恋の不可能性を物語っているようにもみえる。
このジグザグがトルネドのように渦巻いているようにもみえる。なんだこれ。

と思ったら本人による回答

まあ、そういうことだ(よくわかってない)。

「実射影平面の三次元空間への嵌め込み」たるBoy's Surfaceについては
Boy's Surface
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bb/Boy_Surface-animation-small.gif
Werner Boyさんが考えたからBoy's Surfaceなのね。

Werner Boyのオリジナル論文
ドイツ語わかんないけど球をこね回してBoy's Surfaceを作ってる様子がわかる。

おそらく正しいレフラー球を通してこの物語を読めば真の意味がわかるかもしれない。でもそんな球を意識しなくたって物語を読むことはできる。

Goldberg Invariant

「林檎と書いたのを林檎に気づかれぬよう」
今度は漢数字で章番号。七二五四三六一八。今度は何だ。
とりあえずこの数字の並びでググってみる。
Study Room
(s.a.t Labyrinth)Simple, Alternating, Transitive Labyrinthというものに行き当たった。
うーむ迷路に迷い込んでしまった。
なかなかストーリーが展開しないあたりも迷路っぽい。

Your Heads Only

「読者を読み出す/書き出す恋愛小説機関」
ヘッドは私のヘッドであるわけだが、Wikipedia:チューリングマシンのヘッドでもあるわけで、つまり読者自身がこのチューリングマシンのヘッドとなって1999から2007の9つの話を走査することになる。
それぞれ偶然に偶然を重ねたような不思議なエピソードが添えられている。それぞれ異なる人称で語られてるのもポイントらしいが、わかるかそんなもん!(上記PowerPointファイル参照)
こういう仕掛けカンタンに気づいちゃう人もいるんだろうか。

Gernsback Intersection

「その未来にいない私と僕の超遠距離恋愛」
本書の中では一番テンポよくストーリーが展開すると思う。特異点を避けるための量子重力論?よくわからないけど戦ってる。
ヒューゴー・ガーンズバックが出てきちゃうあたりは、オスカーって人物登場させてアカデミー賞意識しまくりの映画みたいでちょっとイヤらしいw