A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

ライフワークの思想

ライフワークの思想 (ちくま文庫)

ライフワークの思想 (ちくま文庫)


ツルっと読んでみた。著者の文章は慣性があり喩えも巧みなので非常に読みやすい。

日本人の様子(1970年代後半の)をバーテンダーにたとえて

自分たちの頭で考えたりつくり出したのではない知識や技術を適当に混ぜ合わせ、シェーカーで振って、カクテルをこしらえている。

自ら酒を一滴も作りもせずにツギハギの寄せ集めばかりだ。とバーテンダーにはちょいと失礼なことを言ってるが、少し読み進めると・・・

編集者自身は一字も原稿を書かないでも雑誌ができる。しかし、また考えようによっては、いかに執筆者がいても、すぐれた編集者がいなければ、おもしろい雑誌はできない。

とエディターシップの重要性を説く。ん?この言い方ではバーテンダーも編集者も似たようなモンな気がするんだけど、どうしたモンだろう。

その後はパプリックスクールとかコンサバティブ(保守)といったイギリス近代史を例に、同じ島国としての日本との違いにせまる。そしてことばと教育の話へ。
「あれ、ライフワークの話はどうなった?」ってなまま終わってしまう。もとは『中年閑居して・・・・・・』というエッセイ集を改題して出版したのだからしょうがないな。

「ライフワーク」についての本じゃなくて、「著者のライフワーク」だこれは。

30年じっくり「ねかし」て今この21世紀に読んでみても、世界は(多少の違いはあれど)それほど変わっていない。結局いつの時代も同じこと。結局人間は保守的な生き物なのかもしれない。

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