A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) 福岡伸一
生命とは何か?
調べれば調べるほど、生命という言葉の定義に学者は悩まされてきた。
量子力学で有名なE.シュレーディンガーは「生命とは何か」において

「生命は負のエントロピーネゲントロピー)を喰う。」

とした。この考えは分子生物学の礎となる。分子が統計的振る舞いをするためには、ある程度の大きさが必要となるのだ。
また生命の系の中で時間の逆転が起こらないよう、秩序を喰うだけでなく、無秩序を排出する定常開放系とする。この構造はのちに複雑系やカオスで有名なI.プリゴジンにより散逸構造として提唱された。

本書は生物の食物に含まれる有機高分子の秩序は消化酵素により分解されてしまう。という点でシュレディンガーの間違いを指摘し、R.シェーンハイマーの実験をして、


「生命とは動的平衡(dynamic equilibrium)にある流れである」

と再定義し、これに光を当てた。
さらにトポロジー的なアプローチで細胞の仕組みを明らかにしようとする。
他にも大学、研究所の雰囲気や暗黒面も皮肉たっぷりに語ってる辺りや、研究競争の緊迫感溢れる様子が伝わって来て実に面白い。
これを読みながら考えたことは、さらに高次(と思われる)営みについてである。
例えば音楽を聴いたり、映画を見たり、本を読んだり。このときには食物の栄養素とは別のエネルギーが外部から入ってくる。そして、どれも時間的流れを持つものである。この場合にも動的平衡が成り立つのかな、と。
DNAの二重らせんを解明したうちのひとり、F.クリックの興味が脳科学へとうつったのもなんだか頷ける。
生命とは何か、意識とは何か。
どこから来て、どこへ行くのか・・・
さらに高次元の視点(神の視点?)から見下ろさないと、この問題は永遠に解ける気がしない。
What is life?
あぁ?そんなことより今の自分にはどのlifeを選択するかの方が重要だ。
どうすんのよ!?
ライフカードのCMってこれが元ネタか。

Choose life. Choose a job. Choose a career. Choose a family. Choose a fucking big television, Choose washing machines, cars, compact disc players, and electrical tin openers. Choose good health, low cholesterol and dental insurance. Choose fixed-interest mortgage repayments. Choose a starter home. Choose your friends. Choose leisure wear and matching luggage. Choose a three piece suite on hire purchase in a range of fucking fabrics. Choose DIY and wondering who you are on a Sunday morning. Choose sitting on that couch watching mind-numbing sprit- crushing game shows, stuffing fucking junk food into your mouth. Choose rotting away at the end of it all, pishing you last in a miserable home, nothing more than an embarrassment to the selfish, fucked-up brats you have spawned to replace yourself. Choose your future. Choose life... But why would I want to do a thing like that?
映画Trainspotting