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A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

マリアンヌ

みた。

marianne-movie.jp

夕方から雨が降るというので傘を持って出かけたのだが、案の定帰りにはやんでいた。
ここのところ傘を持って出かけるときに雨が降らず、傘を忘れたときに限って雨に降られる。
そんなわけで映画の舞台は1942年モロッコ、カサブランカから始まる。アメリカが第二次世界大戦に参戦を決め、映画「カサブランカ」が制作・公開された年だ。
傘を持つと雨が降らない話は関係ない。
昔ビデオでカサブランカを見たはずなのだが、まったく内容を覚えていない。そんな昔のこと...。
中学生くらいだったので見るのが早すぎたのかもしれない。

冒頭はパラシュートで砂漠に降り立つところから。スパイ映画かよ!...スパイ映画なのだった。
中盤クライマックスの暗殺作戦でマリアンヌが撃つのをためらったシーンが印象的で、あのご婦人が今後どう出てくるのかとそわそわしっぱなしだった。

歴史に疎く、モロッコでドイツ、フランス、カナダがいったい何やってるのかちゃんと知らないのだけれど、まあわからなくても大丈夫。
「連合軍(国)」はAlliesというようだけれど、この映画の原題がAlliedと形容詞なのか過去形なのか何かダブルミーニングっぽさがある。悲劇であることは想像にかたくない。

終盤の肝心なときにかからないエンジンとか、手紙を読み上げながら書くとこ、そしてメディシンハットの牧場と背中、このあたりはちょっとクサいなあと思ってしまうが、往年の銀幕映画をあえて意識しているのかもしれない。
仕立てのいい服や帽子、ドレスがとてもよいし、空襲の中の出産シーンや撃ち落とされた飛行機が向かってくるシーンの盛り上がりはスゴイ。

伝わりにくい個人的みどころ
  • それがカサブランカ流よ
  • マリオンの横乳、ブラピの尻
  • 墜落した飛行機の横でピクニック
  • エンドクレジットのフォントのでかさ

虐殺器官

みた。

project-itoh.com

だいぶ内容忘れてしまっていたけど、女性キャラっていたんだな。
ルツィアの殺し文句が真の虐殺の文法みたいな感想。
ラヴィスくん撃ち抜かれ過ぎ。カウンセリングで落とせる恋。

ジョン・ポールを逮捕してアメリカに連行したらアメリカが内戦になっちゃった、
ってな具合に大友克洋の「最臭兵器」みたいな話にならないかなあとか考えたりしてた。

グロいのは原作でも結構キツかったんだけど、やっぱり血がたくさんでるのは嫌だなあ。


原作の感想はこっち。
伊藤計劃「虐殺器官」 - A Perfect Night For Bananafish

伝わりにくい個人的みどころ
  • ハイテクなレジなのにドアだけは手動のお店
  • そのドアを開けておばあさんを通してあげるクラヴィス
  • ブロンドの営業女、物々しく出てきたけど、出てきただけだった。
  • マッチョな主翼
  • 岸からやたら速く離れる船
  • エンディング間際にありがちな「これからどうするんだい」

森見登美彦「夜行」

読んだ。

夜行

夜行

これまでのあほうな感じではなくシリアス。
カンタベリー物語」のような枠物語風形式。「夜行」と題された連作銅版画と神隠し。

画廊から始まり銅版画をめぐる話といえば山尾悠子ラピスラズリ」の影響を感じる。
山尾悠子「ラピスラズリ」 - A Perfect Night For Bananafish
違和感のある世界、オチのない不思議な感覚もどこか似ている。

ジブリアニメ「千と千尋の神隠し」で現実世界からトンネルを抜けてどんちゃん騒ぎの百鬼夜行のような異世界に迷い込み、そこからさらに列車に乗って現実世界に似たパラレルワールド特異点のようなところにたどり着く。
森見登美彦氏のこれまでの作風とは異なるこの作品は、まさにこの感じである。
あれ、今までの森見作品と違う...従来の読者はこの違和感を強く持つためより不安な気分になるのではないか。
作者がこれまでの作品世界に迷い込んだのかはたまた抜け出そうとしているのか魔境を暗中模索しているような印象。

「春風の花を散らすと見る夢はさめても胸の騒ぐなりけり」(西行山家集
直木賞は残念ながら受賞ならず。胸騒ぎはどうですか?別の世界ではバラ色のキャンパスライフを送っていますか?
2017-01-20 - この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

尾道奥飛騨津軽天竜峡、鞍馬、どれも鉄道に乗って移動するシーンがある。レールの上に乗っているはずなのに、よくわからない世界へたどり着く不安さは人生そのもの。これからも従来作品の世界と、この作品、そしてその先の世界を行ったり来たりしながら新たな作品にたどり着いて欲しい。

メモ
  • 「先輩は解決できることにしか興味ないから」
  • 旅というのは密室のようなもの
  • たとえば子どもの頃、午後にうたた寝などをして、唐突に目が覚めたような感じでした。
  • 「世界はつねに夜なんだよ」