A Perfect Night For Bananafish

だがそれを語るには人生は短すぎる

ザ・サークル

みた。

gaga.ne.jp

小説をだいぶ前に買っていたのだが半分近く読んで積んでるうちに映画が公開されてしまった。

ザ・サークル

ザ・サークル

今夜は金曜ロードショーハリー・ポッターやっていたようだけれど、ハーマイオニーじゃないエマ・ワトソンを見てきた。AIのワトソンでもない。

アカデミー賞俳優トム・ハンクスも出ているというのに前評判も全然聞かないなとは思っていたが、やはり内容も地味。それでも彼らの演技の賜物なのか、わりと見れる物語に仕上がっていると思う。ただ話の筋としては大したことない。カタルシスもちょっと弱め。

舞台はGoogleAmazonAppleといった巨大IT企業を彷彿させるSNS企業「サークル」社。業務内容的にはSNSの覇者Facebookか。
狂気じみた意識の高さとポジティブさは、小説を読んだほうがより伝わると思う。主人公のメイはもっと垢抜けない感じだと想像していたけど、これから読む小説の続きはエマ・ワトソンで再生されることになるのか...。

1984年」のbig brother is watching you、「ハーモニー」のWatchMe、「未来世紀ブラジル」に「マイノリティ・リポート」といった全体主義ディストピアものということになるのが、いずれとも異なるのは未来でなく、イマ、ココに最も近いことだ。
トゥルーマン・ショー」なんかに近いのかもしれない。それももうだいぶ過去の話だが。むしろYouTuber的に自ら実況やっていき。

古いタイプの人間は必死に個人情報を隠しがちだが、最近のデジタルネイティブ世代はむしろ個人情報はオープンな前提で慣れているらしい。それこそジェネレーションギャップ、デジタルデバイドなのかと感じる。しかしこの映画はライフログを垂れ流すことの危険性を少し大げさに示す。悪事は千里を越え、人の噂も七十五日経っても残るどころか増殖してクラウドに在り続ける。プライバシー手放すと本当にラクになるのか。ネットの同調圧力は人をも殺す。

結局エマ・ワトソン演じる主人公メイはサークル社員のサークラーではなく、サークル・クラッシャーのサークラってワケ。

伝わりにくい個人的みどころ
  • Doga (Dog Yoga) - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Doga_(Dog_Yoga)
  • 面接行くときの誇らしい顔
  • 「シールとかユニコーンとか好き?」「うん、大好き!"ニコ"」
  • 5ディスプレイで仕事
  • 日の丸っぽい旗
  • アニー(カレン・ギラン)のデキる女からのやつれっぷり
  • ホールから出てゆくときの日光の眩しさ


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ブレードランナー2049

みた。
www.bladerunner2049.jp

よかった。

少々長いが、傑作。みなの期待する続編でここまでやり遂げたのは偉業だ。

すべてが疑わしく、何も信じられなくなり、みんな何のために動き回ってるのかよくわからなくなる。
それでも最後のシーンはよかった。多国籍で雑多な感じのあの世界観なんてどうでもよくなるくらいに。

笑うことのなかったKが雪の降り積もる階段で微笑んだように見える安らかな顔。あそこに犬が寄り添ってくれたらフランダースの犬感が出たのにな(あの黒い犬、どうなったのかな)。天使たちの街ロサンゼルスということも相まって、そんな妄想をしていた。
レプリカントの「信仰」が興味深い。アンドロイドが魂を得るスピルバーグA.I.もしかり。

ガラスの中の汚れない世界で作り出されたフェイクの想い出。これを埋め込めば清らかに生きられるかもしれないが、当の博士が免疫不全だったように、これを外に持ち出してはまあ何がどうなるかわかったもんじゃあない。世界とはそういうものだ。本当にそうか?実は我々も試験管の中なのでは?サッパー宅のピアノに隠された缶、あれは誰が隠したものなのかよくわからん。そもそもその下りすら本当なのかよくわからなくなってきたし、とにかくすべてが疑わしい。

今回のBR(Blade Runner)はAR(Augmented Reality)の表現が主に新しいところかもしれない。レプリカントも目で物を見て考える。
貧素な食事をARで手作り料理に(AR彼女が作ってくれたという設定までついて)。そんなので満足できるんだから目で見て考えている。そうに違いない。
そういえばブレードランナーたちはレプリカントを目で特定していたな。レイチェルの瞳の色もそうか。そしてそれらの様子が二次元の白い幕に映し出されたのを見て、こうして何かを考えている我々もおかしな存在である。
映画「マイノリティリポート」でも目玉コロコロおっかけてたのでフィリップ・K・ディックが関わるものと目玉は何か因縁があるのかもしれない。

真実とは何なのか。我々のアイデンティティーとは何なのか。記憶なのか。肉体なのか。魂があるのか。
多分何度も見ないとよくわからないし、きっと何度も見てもよくわからない気もする。
その疑問は映画という「作り物」のメディアからこの「現実」世界に飛び出して私を悩ませる。

劇場を出ると雨が降っていていい感じだったが、今作だったら雪が降っててほしかったかな。

伝わりにくい個人的みどころ
  • ARご飯
  • 掘削班のマインクラフト的仕事ぶり(四角い穴)
  • うどんの自販機
  • バレリーナの足
  • サンディエゴの瓦礫での戦闘がAKIRA
  • Joiのチャイナドレスと透明なコート
  • 自分のことだと思った?

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

見た。

warnerbros.co.jp


レイトで見てきたが、118分と長めなので結構お得感ある。
あまり人が入っていないと聞いていたけれど、自分がみた回は7割くらいうまってた。

杜王町がバァーーンと出たとき、「プッどこだよそこw」というヨーロッパの町並(スペイン)で、誰しもなかば薄笑いで冷やかし半分で見ていたけど、終盤にはうっかり引き込まれていた様子。「案外よかったんじゃない?」と劇場を出る人の上から目線評価も聞こえてくる。
そう、案外よかったのだ。一方で「(原作知らなくても)わかるのか?」という心配の声も。確かに仗助がいきなり「億泰ゥー」と呼んだけど、あれ自己紹介したっけか?みたいな。
原作やアニメの答え合わせという感覚で見てしまうので、素直に楽しめたとは言えない。「ザ・ハンド」のSE(アニメのときのブウンという音がよかった)とかジョジョ立ちがないこととか気になる点はいくつもある。なんとなく違和感を感じつつもなんとか受け入れてみているという点は否めない。それでも案外よかったのは、俳優たちの演技の賜物だと思う。
まだ第1章ということで、この先が気になるところだ。特にこのあとの心理戦をうまく描けるか。

伝わりにくい個人的みどころ

  • 広瀬康一「うう、うっそでしょ」(神木くんの好感度の高い演技)
  • 承太郎の帽子のJOバッヂの位置がときどき入れ替わる(仗助が直して変えたのかと思ったがそれだけじゃあない)
  • ジャンケン小僧?
  • エコーズのグルグルパンチ
  • 虹村形兆の髪がはらりと垂れるところ
  • 億泰(真剣佑)はアニメ版と声も似ていたし、演技もよかった。
  • エンディング間際、後ろで謎のダンス踊っている人たち。